絵本野山草

20170615

私の父親が友禅の手描き職人だった関係で、
実家には和柄の資料がいろいろと残っています。
先日興味深いものをいくつかをアトリエに持ってきました。
その中でとりわけ目を引いたのが「絵本野山草」でした。

作者の橘保国は江戸時代に大阪で活躍した狩野派の絵師です。
山野地の植物を描いた「絵本野山草」は彼の代表作です。
描かれた植物は全5冊でその数165点に及びます。
木版彫刻による精密でシンプルで力強いタッチが素晴らしく、
当時の我が国で鑑賞されていた植物の世界が窺い知れる植物図鑑です。

ガレージランドでは年々、和柄関係のデザインのご依頼が増え続けています。
依頼内容は扇子や手拭いに浴衣などの従来の和柄アイテムから、
シューズやメンズアパレルなどのカジュアルなものや、
はたまた海外からの和柄のリクエストも多く、
ここ京都二条にある小さなデザイン会社にも、
ジャパンモチーフの流行の波がしっかりと来ております。

「絵本野山草」のここで言う「絵本」とは、
絵を描く際の手本として用いられる絵手本の意味を持ちます。
日本の園芸文化史上の貴重な資料をお手本に、
ヴィンテージな木版画調の和調ボタニカル柄で、
オリジナルのファブリックなど作ってみたいと思っている今日この頃です。

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